【化学基礎】イオン結合とは?組成式の見分け方や結晶の性質を解説

前回、イオンについて勉強しましたが今回はイオン同士が結合するイオン結合について勉強していきましょう!

 

イオン結合

イオン結合とは

イオン結合は陽イオンと陰イオンが静電気力(クーロン力)でくっつく結合ですよね。

イオンについてはこちらの授業をどうぞ!

 

aoi-rika.hatenablog.jp

 

その通りです。例えばNa⁺とCl⁻が有名ですよね。
では、Ca²⁺とCl⁻はどう結合するか分かりますか?

え?CaClじゃないんですか?

違います!イオン結合は必ず陽イオンと陰イオンが打ち消し合うように数を揃えてあげる必要があります。

Ca²⁺とCl⁻をくっつけるだけなら+1になりますもんね。なら、Cl⁻をもう一つ追加してCaCl₂ですかね!

正解です!イオン結合は以下のようにして数を調整しますよ。

イオン結合の化学式
陽イオンの価数)×(陽イオンの数)=(陰イオンの価数)×(陰イオンの数)

なるほど!CaCl₂も
2×1=1×2になってますもんね!

では次は酸化アルミニウム組成式はどうなるか分かりますか?

酸化アルミニウムはAl³⁺とO²⁻の組み合わせですよね!
なら、さっきの式に当てはめるとAl³⁺が2個、O²⁻が3個になりますよね!
だからAl₂O₃ですね!

正解です!では次は組成式について説明をしていきます!

組成式分子式の見分け方

組成式って何ですか?

組成式は化学式の一種です!よく間違えやすいのは分子式ですね。

分子式組成式は何が違うんですか?

分子式は分子がその式と同じ状態で存在している物質で、組成式は物質を形成している原子を簡単な整数比で表している物です。
例えば二酸化炭素は空気中にCO₂という形で浮遊しています。しかし、塩化ナトリウムのNaClはどんな形で存在していますか?

Na⁺とCl⁻のイオンが交互に隣り合ってできています!

そうですよね!決して、Na⁺が1個、Cl⁻が1個だけで構成されている訳ではなく、Na⁺とCl⁻が大量に繋がってできているため、それを簡単な整数の比で表したものを組成式と言います!

 

イオン結晶

イオン結晶とは

イオン結合でできた結晶をイオン結晶と呼びます。

さっきの話に出た陽イオンと陰イオンが並んでできた結晶ですね。
どんな性質があるんですか?

性質①結晶は電気的に中性

イオン結晶は電気的に中性となっています。

正の電荷陽イオンと負の電荷の陰イオンでできているのに電気的に中性なんですか?

先ほどの話のように陽イオンと陰イオンの個数を調整して結晶をつくるので、電荷を打ち消し合うことができます。

塩化カルシウムはCa²⁺1つごとにCl⁻を2つ用意する必要がありますもんね。

そのため、結晶の状態では電気を流すことができないという特徴もあります。

性質②液体中は電気を通す

塩化ナトリウムは水に溶かすと電気を流しやすくなるんですよね?

その通りです。イオン結晶は水に溶かすと陽イオンと陰イオンがバラバラに動けるようになります。
この現象を電離と言います。
このように水に溶かすと電離する物質を電解質と言います。

結晶は中性で固定されていても、液体中で自由に動けるようになれば、電気を流せるんですね。
ちなみに結晶が融解したときはどうなるんですか?

融解の場合もイオンが自由に動ける状態なので、電気を流しますよ。

性質③硬いが脆い

さらに、イオン結晶は硬く、融点も高い物質になります。
理由としてはイオン結合が強く、イオン同士が離れづらいためですね。

脆いのはなぜですか?

結合が強い反面、陰イオンと陽イオンの位置がずれると簡単に結晶はくずれてしまいます。

たしかに塩ってほっとくと硬くなるし、がりがりするとすぐに崩れますよね。

そうですね。食卓の食塩を見ると分かりやすいですね!

まとめ

  • イオンからなる物質の化学式は組成式
  • イオンの結晶は電気を通さない
  • イオンの水溶液や融解した液体は電気を通す
  • 結晶は硬くて脆い