先生!物質の三態について教えてください!
物質の三態は一見簡単ですが、粒子の動きが関係してきますからね!熱運動なども含めて勉強してきましょう!
熱運動
まずは熱運動についてです。熱運動は何か覚えていますか?
はい!粒子が運動することです。温度が上がるほど動きが激しくなっていくんですよね。
その通りですね。ですが、温度が高い粒子がすべて速く動き、温度が低い粒子がすべてゆっくりと動くわけではないんです。
え?そうなんですか?
平均をとれば、「高温の粒子は速く」「低温の粒子はゆっくり」に間違いはないのですが、高温の粒子の中にも動きが鈍く、低温の粒子の中にも動きが速い粒子がいます。
偏差値の高い学校にもおバカはいるし、偏差値の低い学校にも賢い子がいるみたいな感じですか?
例えは悪いですが、そんな感じです(笑)常に動いている粒子は衝突を繰り返すことで、同温でも粒子の速さが違ってきます。その結果、温度は低いのに速度が上がり、水面から粒子が飛び出てしまう蒸発という現象が起こるのです。
なるほど、だから温度が上がると粒子の平均の速さが上がるので、蒸発も起こりやすくなるんですね。
そういうことです!
分子間力
分子間力とは星と同じように質量のあるもの同士が互いに引き付け合う力ですね。
分子みたいに小さいもの同士にもそんな力があったんですね!分子間力も星みたいに重たいと引き付け合う力が大きくなったりするんですか?
いい考え方ですね!たしかに粒子の質量が大きくなると分子間力も大きくなりますよ!それ以外にも電気的な力も関係してきますが、今回はその話は置いておきますね。
熱運動と分子間力、三態の関係
さて、それでは物質の三態について説明をしてきますね。
固体(熱運動<分子間力)
固体の粒子は熱運動をしてても、分子間力の力でお互いの粒子が動けないような状態です。
みんなが教室で座っていて、空気的に動けない状態みたいな?
秀逸な例えですね(笑)互いが互いを引きつけ合おうとすることで動けずにその場で震えている状態が固体の様子です。
液体(熱運動>分子間力)
液体は温度が上がることで、熱運動が激しくなり、分子間力を断ち切った状態です。
なるほど、休み時間になって、みんなが、教室内をうろつき始めた感じですね。
そうですね。分子間力の大きさは変わってないのですが、みんなの動きたいという力が大きくなって、移動し始めた様子ですね。
じゃあ、休み時間ではなくて、授業中にみんながしびれを切らして動き出す感じなんだ。
学級崩壊ですね(笑)
気体(熱運動>>分子間力)
気体は分子間力が無視できるほど熱運動が激しくなる状態です。
とうとう、教室内ではとどまらず、教室の外に遊びに行っちゃう感じだ!
とんでもない授業風景ですね。
体積の変化
さきほどの話じゃないですが、教室に座っている状態の固体、教室内をうろついている状態の液体、教室を飛び出ていく気体。それぞれ、粒子の動く範囲が広がっていきますよね。
そうですね、気体になると遠くまで行けちゃいますもんね。
そうです、なので、粒子は運動が激しくなると体積が増していきます。
確かにそうですね!あれ?でも水と氷は氷の方が体積が大きかった気が・・・。
そうなんです!これは水の特殊な性質で、水は極性という特殊な力でもともとの氷の体積より水の体積の方が小さくなるんです。
んーっと、授業中、立ち歩く生徒が増えたけど、みんな仲良しだから、すごい密接してるイメージですか?
その通りです!引き付け合う力が強すぎて、自由に動けるから余計近づいてしまった状態なんです!
加熱と状態変化
氷を加熱すると水に状態変化しますが、状態変化の途中は温度が上がりませんよね。それはなぜですか?
それも授業中に例えて考えていきましょう。とある熱血教師が生徒たちに「動け!動け!」と熱を送っている状況を思い浮かべてください。
え、なんか嫌ですけど(笑)
ある程度、生徒たちに熱を送っていると先生はしびれを切らして、先生が生徒を掴んで、生徒を無理やり移動させようとします。
迷惑な先生ですね。
先生が生徒を掴んでいる間、全体に熱を送ることがおろそかになるため、その間は生徒たちの熱運動は上がらないという原理です。
熱を送る作業と生徒を掴む作業は同時にできないんですね。
まとめ
- 物質の三態は熱運動と分子間力の力の差によって変わる。
- 体積は固体、液体、気体の順で大きくなる。
- 水の場合のみ、氷より水の方が体積が小さくなる。
- 状態変化中は温度は変化しない。(熱が温度上昇ではなく状態変化に使われるため)