【化学基礎】相対質量と原子量の違いを詳しく解説!

本日は相対質量原子量について話をしていきます。

そもそも相対質量って何なのかいまいち分かりません。

それでは早速学んでいきましょう!

 

相対質量

相対と絶対

まず、相対質量の話をする前に相対と絶対の違いについて説明をしていきます。
相対とは「何かと比較して成り立つもの」を指します。

何かと比較をして成り立つ?どういうことですか?

例えば、セルシウス温度の0℃ってどういった温度ですか?

水が凍ったり溶けたりする温度ですよね!

正確には気圧が1.0×10⁵Paの時の融点が0℃の基準になっています。

つまり、セルシウス温度は水の融点を基準にした”相対温度”ということですか?

その通りです。なので、理科ではセルシウス温度と別に、絶対零度(一番低いとされる温度)を基準にした”絶対温度を使用することがあります。

なるほど、絶対温度は比較するものがないので、マイナスにはならないんですかね?

向きを気にしなければ、絶対的な数値にはマイナスは存在しませんね。

相対質量とは

それでは本題の相対質量についてです。
相対質量は質量数12の炭素原子1個の質量を12として、相対的に質量を決めていきます。

質量数12の炭素原子っていうのが重要なんですか?

はい、炭素の質量と勘違いしてはいけませんよ!
必ず、「質量数12の炭素原子の質量を12(単位なし)とする!」これを覚えておきましょう!テストにもよく出てきますよ!

ではこれを基準に他の原子の質量を決めるんですね!

その通りです!例えば以下のような決め方をしていきます。

質量数1の水素の相対質量の求め方

(質量数12の炭素の絶対質量) : (質量数1の水素の絶対質量)

=12 : (質量数1の水素の相対質量)

比を使って求めることができるんですね!結果は1くらいですか?
これってもしかして、質量数と同じくらいになります?

はい、実は原子の質量ってほぼほぼ質量数の質量と同じなので、相対質量≒質量数なっています。

 

原子量

原子量とは

原子量とは原子の各同位体ごとの質量と存在比を使い原子の相対質量を平均化したものです。

急に難しくなってきました。

難しく考える必要はありませんよ。例えば、やることは下の図をご覧ください。

 

この人たちの体重の平均はどのようにしてとりますか?

全部足して、人数で割ります!

人の場合はそれでも大丈夫ですが、原子の場合はそうはいきません。
そこで、人数をパーセンテージで考えましょう。

60kgの人が80%、50kgの人が20%ですね。

その通り、なので計算は以下の通りですね。

\rm{60kg×\frac{80}{100}+50kg×\frac{20}{100}=58kg}

という計算ができますよね!

なるほど、そんなに難しくはないですね!

では、塩素の原子量を求めて見ましょう
³⁵Cl(相対質量35)は75%、³⁷Cl(相対質量37)は25%存在します。

\rm{35×\frac{75}{100}+37×\frac{25}{100}=35.5}になりますね!

まとめ

  • 相対質量は「質量数12の炭素原子の質量を12とする」
  • 原子量は原子の同位体を存在比を用いて平均化したもの